動物園でのタッチモニタ研究でサルの社会をのぞく・くらべる
日本モンキーセンターでおこなっている連携研究について解説するページです
新型コロナウイルス等の感染症対策も含め、サルとスタッフの健康に配慮して実施しています
研究の目的
ポータブル式タッチモニタ装置を使った比較認知研究をおこなうことで,
- いろいろな種類のサルの 認知能力 をくらべる
- サルたちへの 環境エンリッチメント になるかどうか調べる
- 来園者の皆さんに あたらしいサルの姿 を見ていただく
キーワード解説 |
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認知能力:外の世界の情報を知り,学習し,知識を活かして外の世界に働きかける能力 |
比較認知研究:さまざまな種の動物の認知能力を比較すること,動物それぞれの認知能力の 似ているところ・違うところを調べる研究分野 |
環境エンリッチメント:飼育されている動物のくらしを豊かにし,幸せにすごしてもらうための,さまざまな取り組み |
研究の対象
日本モンキーセンター(愛知県犬山市)のアジア館で暮らす6種のサルたちを対象に,研究をおこなっています。ニホンザルや,ニホンザルに近い種の,マカカ属と呼ばれているグループのサルたちで,社会のなかでの行動に種ごとの特徴があります。集団の中に装置を置いて,装置に近づき課題を解くとご褒美のおやつがもらえる場面を作ると,限られた個体が装置を独占する種と,比較的平等に複数個体が装置に近づく種に分かれます。
- アカゲザル
- ニホンザル
- ミナミブタオザル
- チベットモンキー
- ボンネットモンキー
- トクモンキー
サルが解いている問題の内容
はじめて研究用の装置をさわるサルたちでは,①装置自体に慣れてもらうこと,②ご褒美のおやつに慣れてもらうこと,③タッチモニタ装置の画面をさわるとおやつがもらえると覚えてもらうことからスタートします。装置に慣れたところで、コンピュータ課題をはじめました。コンピュータ課題は,かんたんなものから難しいものへ少しずつ難易度を上げていきます。
- 画面上の大きなドットをさわって消すとおやつがもらえる
- 小さなドットをさわって消すとおやつがもらえる
- ドットふたつをさわってすべて消すとおやつがもらえる
- 数字つきのドットを順序通りにさわって消すとおやつがもらえる
観察のポイント
①コンピュータ課題の内容
- どんな問題を解いているか
- 解き方に癖はあるか
②誰が課題に取り組んでいるか
- サルの種名
- 解いているサルの名前
- そばで見ているサルの名前
- 解いているサルの強さ
- サルの種ごとの違い
研究の記録
JMC:2023.03.27
場所 参加したグループ 課題 観察メモ 「JMC連携研究 記録」に戻る
JMC:2023.03.17
場所 参加したグループ 課題 観察メモ 「JMC連携研究 記録」に戻る
JMC:2023.03.10
場所 参加したグループ 課題 観察メモ 「JMC連携研究 記録」に戻る
「記録」で確認できること |
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場所:日本モンキーセンターのどこで研究したか |
参加したグループ:研究に参加したサルの種・グループ |
課題の内容:おこなった課題 |
本研究は,公益財団法人日本モンキーセンター連携研究(2018019→2019013:飼育下霊長類におけるポータブル式タッチモニタ装置を用いたオープンラボ型比較認知研究)として,2019年1月より日本モンキーセンターで実施しているものです。日本モンキーセンターの研究倫理委員会の承認を経て,サルたちの動物福祉・安全・健康に配慮して実施しています。また,2020年からは,新型コロナウイルスへの対策にも十分に注意して研究をおこなっています。
本研究の実施に際して,日本モンキーセンターの飼育スタッフの皆さまと担当キュレーターさまに日頃よりご協力いただいております。深く感謝いたします。